サイバーセキュリティのスキル不足には、適切な製品と技術を揃えるだけでなく、人材問題の解決も必要

• 本文はフォーティネット セキュリティ ブログの抄訳です。
  執筆者：Stephan Tallent
  2016年3月22日

十分なトレーニングを受け、経験も豊富なサイバーセキュリティ専門家に対する需要は、供給をはるかに超えています。サイバーセキュリティスキルが問題となるほど不足しているとする組織は46％にものぼり、これは昨年の28％から大幅に増加しました。サイバーセキュリティにおける人材不足が深刻化していることが、国際的なセキュリティリスクになりつつあります。[i]

包括的なサイバーセキュリティ教育およびトレーニングの戦略がないため、ますます巧妙化し、整然と組織化されたサイバー犯罪者たちに対し、大規模組織は最小限度の人材で戦い続けていくことになります。

労働統計局の数字をPeninsula Pressが分析したところ、アメリカでは209,000以上のサイバーセキュリティ関連職が欠員となっており、この5年で求人が74%増加したということです。情報セキュリティ専門家に対する需要は、2018年までに53%増加すると見られています。フォーティネットは Fortinet Veterans Programでセキュリティと人材不足の問題に最前線で対処してきました。そして本日、Fortinet Network Security Academy（FNSA）がスタートしました。これは世界的なスキル不足に対処するため、行動指向型のサイバーセキュリティ専門家の開発、トレーニングを目的としたものです。

FortiVetsが武装防衛のスキルをサイバー保護に転換

アメリカ海兵隊の水陸両用強襲車両のクルーだったAndrew Adrianは2014年に任務を終え、その後何をするか悩んでいました。これは多くの元海兵隊員や軍人が抱えるジレンマです。一般市民としての生活に戻り、民間部門での仕事に移行することを、非常に困難だと考える退役軍人たちもいます。

元軍人のほとんどはサイバーセキュリティのトレーニングを受けていませんが、彼らにはそれに準ずるスキル、例えばデータ分析、敵の考えを見抜く力、チームワークなどがあります。これらはITセキュリティ業界に通ずるものがあります。

Fortinet Veterans Programは軍部の国防と、企業や政府機関の重要情報の保護との間に存在する相乗効果を生かすプログラムです。本プログラムの使命は、全国にいる退役軍人がサイバーセキュリティ業界へ移行できるよう、フォーティネットや当社のディストリビューションパートナー、テクノロジーパートナーにおける就業機会を提供するというものです。本プログラムは退役軍人の協力により創設され、参加は無料です。フォーティネットのパートナーの皆様は、現在のFortiVets（雇用可能なプログラム参加者）を閲覧することができ、十分なトレーニングを受けた、スキルのあるサイバービジネスの専門家を見つけられる仕組みとなっています。

現在、何十人ものFortiVetsがすでにトレーニングを終了しており、参加者数も増え、多くの人材がサイバーセキュリティ業界でのキャリアをスタートさせています。フォーティネット製品トレーニングおよびビジネス教育、メンタリングにより、営業、マーケティング、エンジニアリング、人事など、サイバービジネスにおけるFortiVetsの就業機会は様々です。本プログラムは退役軍人の供給と、サイバーセキュリティ業界における有能な専門家に対する需要のギャップを埋めることを目指しています。

Fortinet Veteran Programは現在、アメリカのみで展開しておりますが、第2四半期にはカナダ、イギリスにも展開する予定となっており、2016年後期には他の地域にも拡大していきます。プログラムに関する詳細につきましては、veterans@fortinet.comまでご連絡ください。

Fortinet Network Security Academyが、サイバーセキュリティ人材の世界的供給ルートを構築

退役軍人プログラムの成功をさらに拡大するため、本日、Fortinet Network Security Academy（FNSA）がスタートしました。これは、サイバーセキュリティスキルが国際的に不足している現状に対処し、フォーティネットのエンドツーエンドのネットワークセキュリティ ファブリックのあらゆる局面に精通した人員を確保するために、人材のトレーニングを行っていくという当社の強い意志をさらに広く示すものです。

これまではフォーティネットのお客様およびパートナーの皆様にのみ提供されていたトレーニング、認定の機会を、FNSAでは、様々な外部教育機関、NPO、退役軍人プログラムにも提供していきます。これらの組織において、教員へのトレーニングは無料となっており、将来、サイバーセキュリティから世界の組織を保護する方法を学ぶ生徒たちへの教育に必要なスキルが提供されます。

すでにアメリカ、カナダ、EMEA諸国の7つの組織がFNSAに参加しており、次四半期には世界各地に20のFNSA拠点がオープンする予定です。本プログラムに関する詳細、FNSA拠点になる方法に関しては、academy@fortinet.comまでご連絡ください。

退役軍人や生徒によって人材問題を解決

Fortinet Veterans Program、Fortinet Network Security Academyでの取り組みを通し、フォーティネットは人材ギャップという現実問題に立ち向かうことでサイバーセキュリティスキルの世界的な不足を解決することに全力で取り組んでいます。私たちの社会やグローバル経済の将来の安全を確実に確保できるかどうかは、優れたセキュリティ技術のイノベーションにかかっていますが、世界のサイバービジネスの経営、運営を行う人材によっても大きく左右されます。サイバー犯罪ツールの背後には人がいます。ますます拡大するサイバーセキュリティの脅威を食い止めるためには、十分なトレーニングを受けた専門家が必要なのです。